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さつまいもに含まれる機能性成分と栄養価値

さつまいもは、古くから日本で親しまれている根菜のひとつです。主成分はでんぷんですが、食物繊維やビタミン類、ミネラル類、ポリフェノールなども含み、近年はその機能性に関する研究も進められています。

今回は、さつまいもに含まれる栄養成分と機能性成分について、研究報告を交えながらご紹介します。

さつまいもの主な栄養成分

さつまいもは炭水化物を豊富に含む食品であり、エネルギー源として利用されています。また、ビタミンD・Kを除くビタミン類を比較的バランスよく含み、特にビタミンB1、ビタミンB6、ビタミンC、ビタミンEが多く含まれています。

さらに、カリウムや銅、葉酸、パントテン酸などの栄養素も含まれています。

蒸したさつまいも100gあたりでは、食物繊維3.8g、カリウム390mg、ビタミンC20mgを含みます。

食物繊維とヤラピンによる整腸作用

さつまいもには食物繊維が多く含まれています。

特に食物繊維の一種であるセルロースは、血液中のコレステロールを抑制したり、血糖値をコントロールする作用があるとされ、生活習慣病予防への関与が期待されています。

また、さつまいもを切った際に見られる乳白色の液体には「ヤラピン」と呼ばれる成分が含まれています。ヤラピンは整腸作用を有するとされ、加熱後も減少しにくいことが報告されています。

排便改善に関する研究報告

さつまいもの摂取と腸内環境に関する研究では、健康な女子大学生22名を対象に「紅天使」を摂取した試験が行われています。

その結果、紅天使の摂取によって排便量および排便回数の増加が確認されました。また、腸内細菌叢の解析では、酪酸産生菌として知られるFaecalibacterium属を含む菌群の割合が有意に増加したことが報告されています。

これらの結果から、さつまいもの摂取は腸内環境の改善に寄与する可能性が示唆されています。

紫さつまいもに含まれるアントシアニン

紫色の果肉を持つ品種には、ポリフェノールの一種であるアントシアニンが含まれています。

有色さつまいもの研究では、紫さつまいもは白色・黄色・橙色系統と比較して高いDPPHラジカル消去活性およびORAC値を示し、主要アントシアニン含量とORAC値との間に正の相関が認められています。

このことから、紫さつまいもに含まれるアントシアニンは主要な抗酸化成分のひとつであると考えられています。

また、紫さつまいも由来アントシアニンについては、機能性表示食品の届出実績があり、「健康な人の健常域でやや高めの肝機能に関連する酵素(AST、γ-GTP)値の低下に役立つ機能」が報告されています。

さらに、高血圧自然発症ラットを用いた研究では、アントシアニン含有物による血圧降下作用への関与が示唆されています。

オレンジ色品種に含まれるβ-カロテン

果肉がオレンジ色の品種にはβ-カロテンが多く含まれています。

β-カロテンはカロテノイド色素の一種であり、さつまいもの特徴的な機能性成分として知られています。

また、天然着色料の原料として利用される品種もあります。

クロロゲン酸と抗酸化活性

さつまいもにはクロロゲン酸などのポリフェノールも含まれています。

調理による影響を調べた研究では、総クロロゲン酸含量とDPPHラジカル捕捉活性との間に有意な相関が認められました。

また、クロロゲン酸および抗酸化活性の保持率は、電子レンジ加熱、蒸し調理、揚げ調理で高く、煮る調理やオーブン焼きでは低い傾向が報告されています。

加熱や貯蔵による品質変化

さつまいもは貯蔵条件によって糖組成が変化します。

「高系14号」を用いた研究では、10℃で貯蔵することで甘味度の向上が認められました。一方で5℃以下では腐敗の発生が増加することが報告されています。

また、さつまいもに含まれるβ-アミラーゼはデンプンを分解し、マルトース生成に関与することが確認されています。この作用が加熱後の甘味形成に関係すると考えられています。

まとめ

さつまいもは、エネルギー源となるでんぷんだけでなく、食物繊維、ビタミンC、ビタミンB群、カリウムなどを含む栄養価の高い野菜です。

さらに、ヤラピン、アントシアニン、クロロゲン酸、β-カロテンといった機能性成分を含み、整腸作用や抗酸化作用に関する研究報告も数多く蓄積されています。

特に紫さつまいもに含まれるアントシアニンについては、機能性表示食品の関与成分としても利用されており、今後もその機能性に注目が集まる食材のひとつといえるでしょう。

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